【2024年10月施行】社会保険の適用拡大について
2024年11月25日
2024年10月以降、社会保険の適用範囲が拡大され、パートやアルバイトの方も、これまで以上に充実した社会保障を受けることができるようになります。
具体的には、健康保険や年金など、いざという時に頼りになる制度が利用可能になります。今回の改正が、あなたの働き方にどのような影響を与えるのか、一緒に見ていきましょう。
1.社会保険とは?
社会保険とは、健康保険、厚生年金保険、介護保険、労働者災害補償保険(労災保険)、および雇用保険の総称です。その中でも一般的に「社会保険」と言えば、健康保険、厚生年金保険、介護保険を指すことが多いです。
社会保険は、一定の要件を満たす労働者が強制的に加入する制度であり、事業者も従業員を対象に加入手続きを行う義務があります。
これまではフルタイムの従業員が主な対象でしたが、パートやアルバイトなどの短時間労働者についても、条件を満たせば加入対象となる制度です。
2.適用拡大の背景と対象企業
従来は従業員数501人以上の企業が対象でしたが、2022年10月に101人以上に拡大され、2024年10月からはさらに51人以上の企業も適用対象に含まれることとなります。
(厚生労働省のHPより)
適用企業のポイント:
- 従業員数は、その企業で厚生年金保険の適用対象者(フルタイムおよび週の所定労働時間がフルタイムの4分の3以上の従業員)を基に算出されます。
- 従業員数51人以上の企業に勤務する短時間労働者が、条件を満たせば新たに社会保険の加入対象となります。
(厚生労働省のHPより)
3.対象となる従業員の条件
以下の5つの要件をすべて満たす短時間労働者が、社会保険の加入対象となります。
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- 週の所定労働時間が20時間以上であること。
- 所定内賃金が月額8.8万円以上であること。
- 雇用期間が2か月を超える見込みがあること。
- 学生でないこと。
- 従業員数51人以上の企業で働いていること。
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4.社会保険に加入するメリット
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- 将来受け取る年金額が増える
厚生年金保険に加入することで、基礎年金に加え、報酬比例部分が追加されるため、将来受け取れる年金額が増加します。 - 障害や遺族への手厚い保障
障害等級3級にも支給される障害厚生年金や、遺族厚生年金など、国民年金にはない保障を受けられます。 - 医療保険の充実
病気やけが、出産で仕事を休む場合、給与の3分の2相当額が傷病手当金や出産手当金として支給されます。 - 保険料の半額負担
厚生年金保険や健康保険では、保険料の半分を会社が負担するため、個人の経済的負担が軽減されます。
- 将来受け取る年金額が増える
2024年10月施行の社会保険適用拡大は、短時間労働者の権利を大幅に向上させる重要な改正です。企業にとっては、対象となる従業員を把握し、適切な手続きを進めることが求められます。
一方、労働者にとっては、より安心できる労働環境が整い、将来への備えが充実します。企業と労働者が共に制度を理解し、適切に活用することが今後の鍵となります。